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Gauche を学んでみた

Gauche のプログラミングに手を出してみた.Gauche は Scheme の処理系の一つである.調べたことを 個人のWiki に載せた.

ここで,改めて,新たな言語を覚える際のプロセスについて考えてみた.

言語を覚えた気になるために必要な知識は,私は以下の3項目になると考える.

  1. 基本的なシンタックス (変数,条件分岐,ループ,関数など)
  2. デバッグ方法 (Cで言えばprintf)
  3. その言語に特異な概念とシンタックス (クラス,マクロ,リストなど)

既に数種類の言語を扱える人にとっては,2番目までは恐らく1時間もかからないだろう.極端にマイナーな言語を覚えようとしない限り,今時Webを少し探せばこれらの情報は簡単に手に入る.極端な話,ここまでの知識でもプログラミングは何とか可能だ.

3番目の修得時間にはかなりの差がある.例えば,クラスの概念を知るため,大学の情報工学科では90分の授業を数回必要とする.一方,クラスに慣れている人は,短時間でJavaを使えるようになるだろう.クラスの概念をJavaのシンタックスに当てはめるだけで良いからだ.

3項目を達成すれば,その言語を使える気になっていると思う.という意味は,オープンソースなどのコードを,関数などを調べながら何とか読める,ということだ.より理解を深めるため,一部を改変してデバッグすることもできる.

その後は,理解よりも記憶の作業になる.例えばライブラリ関数を知るなどだ.これは,英語の語彙力を増やす作業に似ている.自分の知っておきたい分野の記事を読み,分からない単語を辞書で調べ,覚えていく.プログラムでも同じだ.興味のあるコードを落とし,読み,知見を増やす.この際,お気に入りのウェブサイトまたは本を持っておくとよい.分からない項目があれば,これで調べる.お気に入りの英和辞書を持っているように.私の場合,Java では Java™ Platform, Standard Edition 7 API Specification,Ruby では 逆引きRuby などだ.

このように,結局は,その言語を使って何をしたいか,が重要になる.これを強く認識しているほど,やるべきことも明確になり,理解も早まるのだろう.

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TeXマクロプログラミング

2012.03.30 更新 スライド化しました.   新しいマクロ定義 以下に例を示す. \dev\hoge{ほげ}    これにより,\hogeが「ほげ」に変換される.引数を使うには,以下のように記述する. \dev\hour#1{今は#1時です}   別の方法 上に示した処理は,以下のようにも記述できる. \newcommand{\hoge}{ほげ} \newcommand{\hour}[1]{今は#1時です}   defとnewcommand違い defとnewcommandが異なる箇所として,以下が上げられる. 定義命令を定義している処理系 マクロを多重定義した場合の動作 引数のとり方  まず,定義されている処理系が異なる.defはtexで定義されており,newcommandは,latexで定義されている.  次に,多重定義した際の動作が異なる.defでは,新しい定義で上書きする.一方,newcommandではエラーを出力する.  最後に,defでは,引数のとり方としてパターンマッチングを利用できる.例えば,以下のマクロ定義があるとする. \def\Hatchr(#1,#2)(#3,#4)#5 これにより,以下に示すインターフェイスを実現する. \Hatchr(3,4)(7,8){hoge}   マクロの複製 以下の処理では,\hogeの内容を\fugaに複製する. \let\fuga\hoge   マクロの初期化 以下のコードで,\hogeを初期化する. \let\fuga\relax  ここで,\relaxは初期化のために利用する空の定義である.   マクロに文字を追加し再定義 defによる定義は,マクロの多重展開をおこなわない.例えば,以下のコードを考える. \def\hoge{ほげ} \def\hoge{\hogeふぇふぇ}  この後,\hogeを利用すると「\hogeふぇふぇ」と展開される.つまり,一度だけしかマクロは展開されない.  マクロを展開してから定義する際には,以下の記述を用いる. \edef\hoge{\hogeふぇふぇ}  これに

beamerでしおりを付ける

しおり   しおりとは,acroreadなどでpdfを表示する際に,ウィンドウの左側に表示される目次のようなものである.このしおりを使うことで,文章の構成を大まかに把握したり,特定の項目に移動することが簡単にできる.   beamerには,標準でしおりを付ける機能が備わっている.以降では,しおりを付ける方法について述べる. しおりをつける   beamerでしおりを付けるには,次のコマンドをtexの文章中に記述する. section{} subsection{} subsubsection{}   カッコの中に記述する文字列が,しおりの項目名に使用される.また,section,subsection,subsubsectionを使い分けることで,階層化をすることも可能. 文字化け対策   しおりは,標準の仕様ではUnicodeのみがサポートされている.EUCを使う場合は,そのままではしおりの日本語が文字化けする.このため,Unicodeを用いない際には,何らかの対策が必要である.   以下では,EUCを利用する人のための対処策を述べる.ここで,dviからpdfを生成する際の方法によって,対処の仕方が異なることに注意する.具体的には,(1)dvipdfmxを用いる場合と,(2)dvipsおよびps2pdfを用いる場合で,対処の仕方が異なる.以降,それぞれについて述べる. dvipdfmxを用いる場合   次のコードをプリアンブルに記述しておくことで解決できる.これにより,しおりの部分の文字列が,自動でUnicodeに変換される. \ifnum 42146=\euc"A4A2 \AtBeginDvi{\special{pdf:tounicode EUC-UCS2}}\else \AtBeginDvi{\special{pdf:tounicode 90ms-RKSJ-UCS2}}\fi   ただし,実行にはEUC-UCS2というファイルが必要.texをインストールする際に,標準でシステムに入る場合はこのままコンパイルできるが,無ければコンパイルできない.私がこれまで経験したなかでは,Vine 5.0, Mac OSXには含まれているが,Debian lennyには入っていなかった.   システムにEUC-UCS2が無い場合,以下のようなサイトから取ってくる.取って

ssh-agentの管理を自動化する

ssh-start.sh ssh-agentの管理を自動化するスクリプトssh-start.shを紹介する. 詳細 ssh-agentを使うことで,sshでリモートログインする際に,パスワードの入力を省略できる. ssh-agentを利用するためには,ソケットのパスとプロセスIDを環境変数に登録する必要がある.環境変数に登録すべき情報は,ssh-agentの起動時に,以下のように標準出力に出力される. $ ssh-agent SSH_AUTH_SOCK=/tmp/ssh-XTqIvn4918/agent.4918; export SSH_AUTH_SOCK; SSH_AGENT_PID=4919; export SSH_AGENT_PID; echo Agent pid 4919; 上記のように,ssh-agentの出力はシェルコマンドとなっており,実行すれば環境変数がセットされる.このため,多くの解説記事では,次のようにevalを用いる方法が述べられている. $ eval `ssh-agent` Agent pid 4919 しかし,この方法は,同じssh-agentのプロセスを複数のシェルから利用することはできない.上記コマンドを他のシェル上でも実行すれば,動作はするが,次の点で優れた手法とは言えない. ssh-agentのプロセスを複数起動する (本来は1個で充分). 起動毎に秘密鍵の登録,およびパスフレーズの入力が必要となる. 上記の問題は解決するには,1個のssh-agentを複数のシェルから再利用すればよい.例えば2個のターミナルから1個のssh-agentプロセスを利用するには,次のようにする. # terminal 1 $ ssh-agent > ~/tmp.sh $ source ~/tmp.sh Agent pid 4919 # terminal 2 $ source ~/tmp.sh Agent pid 4919 こうすることで,2個のターミナルから同一プロセスのssh-agentを利用できる. 以上の処理を自動化したものが,ここで紹介するスクリプトである. 使い方 環境変数を扱かうため,通常のスクリプトのようには利用できない.このため,sourceコマンドや.(ドット)コマンドで実行する. $ source /path/to/dir/s